アフガニスタン向け無償資金協力贈与契約の締結: UNHCRとの連携により国内避難民及び帰還民の生活環境改善に貢献

【SDGsロゴ】すべての人に健康と福祉を

【SDGsロゴ】質の高い教育をみんなに

【SDGsロゴ】安全な水とトイレを世界中に

2022年12月23日

署名式の様子

国際協力機構(JICA)は、12月23日、国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)との間で、「アフガニスタン南部の国内避難民及び帰還民受入れ地域における生活環境改善計画(UNHCR連携)」を対象として、17億9,700万円を限度とする無償資金協力の贈与契約(Grant Agreement: G/A)を締結しました。

アフガニスタンでは、長年に渡る紛争や情勢不安等の影響により、国内避難民や周辺国に逃れて難民となる人が多数発生していると同時に、困難な状況下のアフガニスタンに帰還民として戻る人々も多くいます。国内避難民・帰還民にとって生活環境や生計基盤を整えることは容易ではなく、大半は日雇い労働等の不安定な収入源に依存し困窮しています。

特に、国土の25%を占める南部5県(カンダハール県、ヘルマンド県、ウルーズガーン県、ニムルーズ県及びザーブル県)は、人口約300万人のうち国内避難民及び帰還民が約3分の1を占め、国境をパキスタンやイランと接していることから国内避難民及び帰還民の増加数が多い傾向にあります。そのため、国内避難民・帰還民及びホストコミュニティの住民が生活するために必要な保健、水・衛生、教育、生計向上にかかる施設が不足しており、改善が喫緊の課題となっています。

本事業は、アフガニスタン南部5県において、国内避難民・帰還民及びホストコミュニティ住民向けの保健、水・衛生、教育、生計向上に資する施設の整備等を実施することにより、困窮するコミュニティの生活環境の改善を図ることでSDGs(持続可能な開発目標)のゴール3(すべての人に健康と福祉を)、ゴール4(質の高い教育をみんなに)及びゴール6(安全な水とトイレを世界中に)に貢献します。なお、この協力はUNHCRを通じてアフガニスタンへの人道支援として実施するものであり、人道・開発・平和のネクサスにも繋がるものです

案件の詳細は以下のとおりです。

【案件基礎情報】
国名 アフガニスタン・イスラム共和国
案件名 アフガニスタン南部の国内避難民及び帰還民受入れ地域における生活環境改善計画(UNHCR連携) (The Project for the Improvement of Living Environment in the Hosting Area of Internally Displaced Persons and Returnees in the Southern Afghanistan)
実施予定期間 24ヶ月
実施機関 国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)
対象地域・施設 アフガニスタン南部5県(カンダハール県、ヘルマンド県、ウルーズガーン県、ニムルーズ県及びザーブル県)
具体的事業内容(予定) 保健:保健施設整備
水・衛生:水供給施設整備及び水管理組合支援
教育:学校施設整備
生計向上:社会支援センター支援整備及びコミュニティグループ設立支援