JICAが出資する信託基金“LEAP”を通じた支援(海外投融資):ウズベキスタンの民間事業者によるヘルスケア事業への融資

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2022年12月21日

アジア開発銀行(ADB)が、JICAによる『アジアインフラパートナーシップ信託基金 (“Leading Asia’s Private Infrastructure Fund”: LEAP)』を活用し、2022年12月19日にウズベキスタンにおける官民連携(Public Private Partnership:PPP)によるヘルスケアサービス事業への総額839万ドルの融資契約に調印しました。

本事業はウズベキスタンのタシケント市、カラカルパクスタン自治共和国、ホレズム地域において4つの透析治療センターの建設・運営・維持管理に対する長期融資を行うもので、ヘルスケア分野において同国初の国際的なPPPにより実施される案件になります。SDGs(持続可能な開発目標)ゴール 2(すべての人に健康と福祉を)及びゴール5(ジェンダー平等を実現しよう)に貢献します。ADBの融資には、LEAPによる融資336万ドルが含まれています。本事業には、アジアにおける最大規模の透析治療サービス企業の一つであるNephrocare Health Services Private Limitedがスポンサーとして参画しています。

ウズベキスタンでは慢性腎臓病に苦しむ患者が約3万人いる一方、透析治療の提供体制が十分ではなく、約3,500台の透析機器が不足しているといわれています。本事業は、4つの透析センターを通じて1,100人の患者に対して透析治療を提供するものであり、民間セクターを動員することで同国のヘルスケア分野における医療サービスの不足解消に貢献することが期待されます。また本事業では、ジェンダーアクションプランを作成し、研修や職場環境の確保を通じて、女性医療従事者の透析治療への参加を促す予定です。

LEAPは2015年11月21日に日本政府より発表された「質の高いインフラパートナーシップ」のフォローアップ施策において言及され、アジア及び大洋州地域の質の高い民間セクターのインフラ案件を対象とし、民間セクターが官民連携パートナーシップ(PPP)等の様々な形態を通じて実施するインフラ事業に対して、出融資による支援を行う信託基金です。 JICAは2016年3月にLEAPに対して15億ドルの海外投融資による出資を承諾しました。LEAPは、アジア太平洋のADB加盟国における質の高い、持続可能な民間セクターによる幅広いインフラ事業を支援しており、支援対象分野は温暖化ガス削減、省エネルギー、良心的な価格での医療サービス等多岐にわたります。

JICAは今後も各国・国際機関と協働し、「質の高いインフラ投資」を推進し、SDGsも踏まえた開発途上国・地域の経済社会開発に貢献していきます。