南アフリカ共和国向け技術協力プロジェクト討議議事録の署名:障害児と家族の地域生活を支える

#1 貧困をなくそう
SDGs
#3 すべての人に健康と福祉を
SDGs
#10 人や国の不平等をなくそう
SDGs

2023.09.04

国際協力機構(JICA)は、8月31日、プレトリアにて、南アフリカ共和国政府との間で、技術協力プロジェクト「障害児および家族のためのレスパイトケアサービス拡大プロジェクト」に関する討議議事録(Record of Discussions: R/D)に署名しました(レスパイトケアサービスとは、介護者に対して提供される一時的な休息のためのサービスを意味する)。

2011年の南アフリカ国勢調査によると、南アフリカには、全人口の7.5%である約280万人の障害者がいるとされています。南アフリカ政府は、障害者権利条約や子どもの権利条約批准国として、障害児やその家族支援の保障に取り組んでいます。しかし、障害児や家族の地域生活支援サービスが十分ではないため、主に家族介護者が障害児のケアを担っており、それが長時間・長期化する事で、保護責任放棄や虐待に繋がるリスクが高い状況です(地域生活支援サービスとは、障害児やその家族が居住している地域で生活するために必要な教育、保健、福祉等のサービスのこと)。

南アフリカ政府とJICAは、このようなリスクを回避するため、まずは子どもの保護および障害児の介護者である家族へのサポートが必要であると判断し、公的なレスパイトケアサービス導入に関する協力を行う事で合意しました。レスパイトケアサービスの提供とあわせ、地域生活に必要なサービスにつなぐ支援を行うことにより、保護責任放棄や虐待への対応に加え、障害児の教育や保健サービスへのアクセス向上、家族介護者による経済活動へのアクセス向上が期待されます。そして、これらは障害児および家族介護者の地域社会への参加促進にもつながります。

これまでJICAは南アフリカ政府に対し、障害と開発分野において「障害者のエンパワメントと障害主流化」、「自立生活」を軸とした協力を約20年にわたって実施しています。本事業は、これまでの協力の成果を最大限活用し、障害児およびその家族のためのレスパイトケアサービス提供モデルの開発を通じて南アフリカのレスパイトケアサービス提供の能力向上に寄与するものです。SDGsゴール1(貧困)、ゴール3(健康と福祉)、ゴール10(不平等の是正)に貢献します。

★サンプル★署名式の様子

署名式の様子

案件の詳細は以下のとおりです。

案件基礎情報

国名 南アフリカ共和国
案件名 障害児および家族のためのレスパイトケアサービス拡大プロジェクト
実施予定期間 48ヵ月
実施機関 社会開発省
対象地域 ムプマランガ州エランゼニ郡ムボンベラ市クンブラ町及びカーダンジー町
北ケープ州ゼットエフ・マグカウ郡ダウィット・クルーパー市アピントン町
具体的事業内容(予定) 本事業ではプロジェクトサイト州であるムプマランガ州、北ケープの2州においてレスパイトケアサービス提供モデルを開発する。本案件終了時点から5年後には先方政府の自助努力によって、南アフリカ全州においてサービス提供および利用に係る関係者にこのモデルを実施できる能力が備わっている状態を目指す。

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