フィリピン・マニラ(2022年8月18日)-アジア開発銀行(ADB)は、世界的な大手保険会社5社との間で、アジアの金融機関に対する融資をサポートする協調融資枠に最大10億ドルを動員するための枠組み合意に調印した。

信用保険を利用した、この金融機関のための包括的なプログラムは、域内の商業銀行およびノンバンク系金融機関へのADBの貸付を拡大させることを目的としている。

ADBは、東京海上グループ(東京海上日動火災保険株式会社およびTokio Marine HCC)、AXA XL、 Chubb、Liberty Specialty Markets、アリアンツ・トレードと、今後3年間に亘るパートナーシップを締結した。

本プログラムに参画する高格付けの保険会社は、金融機関に対するADBの融資部分について、不払いリスクをカバーする。これによりADBは、自身の融資ポートフォリオの信用リスクを保険会社のバランスシートに移転させ、エクスポージャーの管理を通じて資本の制限を緩和するとともに、自らの貸付能力を拡大させる。

ADBのバート・ラーマーケルス保証・シンジケーション・ユニット長は、「ADBは、国際開発金融機関のパイオニア的存在として民間保険会社と連携し、信用保険の活用を通じて融資業務の拡大に取り組んできた」とした上で、「保険会社と築き上げてきた関係は、協調融資として民間から追加的資金を動員し、顧客のニーズに応える助けとなる」と述べた。

東京海上ホールディングス(株)のグループ会社であるTokio Marine HCC – Credit GroupのJerome Swinscoe 氏は、「東京海上グループは、その企業理念である「良い会社“Good Company”」であり続けるために、共通の目標や価値観を持つ、ADBをはじめとする国際開発金融機関と、これまで緊密に協力してきた」とした上で、「ADBとのパートナーシップは長年にわたり育まれてきたもので、このプログラムは、アジアの国々が今必要としている経済回復に一丸となって協力することができる機会を提供するもので、まさに時宜を得たものである。我々はこの取り組みに参画することを光栄に思う」と述べた。

本プログラムにより、リスク移転の引受や承認プロセスが簡素化され、ADBは協調融資をより効率的に動員することができる。金融セクターに対するADBの融資には、中小零細企業の支援やジェンダー平等、気候変動への取り組みなどの業務優先課題に向けた支援が含まれる。

ADBは、極度の貧困の撲滅に努めるとともに、豊かでインクルーシブ、気候変動や災害等のショックに強靭で持続可能なアジア・太平洋地域の実現に向け取り組んでいる。ADBは1966年に創立され、49の域内加盟国・地域を含め68の加盟国・地域によって構成されている。

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